2015/05/31

ANAの機内で客同士のトラブルに遭遇

先日、フランクフルトでANA便に乗りました。

私の前には1歳ぐらいの子供を連れた日本人女性が座っていました。
バシネットを取り付けられる前が壁の座席です。夜間の飛行だったので少しぐずっていましたが、あとは時々目が覚める程度で静かに寝ていました。

羽田着陸の前になって、飛行中にその子が起きると何度か抱っこしてあやしてくれた若いアテンダントさんが様子をうかがいにきました。私はいつも外国航空会社の飛行機を利用するのですが、こんな風に子供に接してくれる客室乗務員はまずいない、やっぱり日本の会社だなあと思っていたら、突然、通路を挟んで私の横にいた50代後半風の日本人が騒ぎだしました。

「おいッ、なんでガキ連ればっか面倒みんの!! ふざけんなよ、ビービー、ギャーギャー、こっちゃあそのクソガキのおかげで寝れねーしな、疲労困憊だ!ったく、ガキなんか乗せんなよッ、迷惑だろーがッ。だいたい親も厚かましいんだよ、ちょっとはあやせよ!おら、わかってんのか!こっちゃ、金払って乗ってんだぞ。ルフトハンザに乗るはずだったのに、勝手に振替でガキの後ろの席なんかにだれがやったんだ。最初っからガキの後ろだって言えよな、だったら乗らなかったから!」

対して 若いアテンダントさんはお客をなだめようととにかく平身低頭して謝っていました。
私は彼女がその男に対してそこまで下手に出る必要はないと思いました。周囲の人たちも何が起きているのかとみんな注目していました。そういうなかで、大声を上げている男性が不条理な事を言っているのはだれの目にも明らかでした。
客室乗務員がペコペコと謝れば謝るほど調子に乗ったその男性はますます態度と声が大きくなりました。

そこに、ずっと黙っていた赤ちゃんの母親が後ろを振り返り、
「すみません、貴女はぜんぜん悪くないんだから、謝らないでください。(男性に)あなた、いったい何を言っているんですか?! ここは子供連れ優先の座席です。そんなにいうならビジネスクラスでもファーストクラスにでもお乗りになればよかったでしょう?座席を移ることもできたでしょう。あなたとあなたのこどもはだれにも迷惑かけなかったんですか?あなたのような男性が多いから日本の少子化は解決しないんですよ。」

この思わぬ反撃に男性はたじろいだものの、すぐに泡も吹かんばかりの怒り様に。

「少子化、少子化ってうるせーっての。いやなら外国に住みやがれ!てめーがファーストクラスにのりゃーいいじゃん!だいたい、今どきの母親は謝らずに他人が悪いってか?ケッ、なぁんだその態度は!」と話は泥沼化し、一触即発の危機に。
ついに着陸に向けてベルト着用のサインが出ましたが問題は未解決のまま。
女性も怒りのあまり、しどろもどろになりながら英語とドイツ語で通路を挟んだところに座っていたドイツ人の夫に説明していました。私は客室乗務員があのように謝罪を続けることをとても不思議に思いました。こういうことをしていると自分を神だと勘違いする輩がのさばるだけだと思いました。

そこに若いアテンダントと交代するかのように責任者という女性がやってきました。
「わたくし責任者の○○と申します。このたびはご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」と最初はやんわり謝りながらも、相手にケチをつける隙を与えないように話の流れを誘導してあっという間に現場を丸くおさめたのでした。じつに見事でした。

彼女の対応の中に日本流接客の奥義を見た気がしました。